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アメリカで起業家を雇ったときの話

私は今まで4年半アメリカに滞在し、色々なことをやってきましたが、そのゴールはずっと同じでした。それは、米国で新しい事業を立ち上げるということです。

今日のエントリでは、久しぶりに、この自分の体験について書いてみたいと思います。題材は、事業を立ち上げるにあたって最初にやったこと―起業家候補を雇うこと、です。

起業家候補を探す

その頃私はまだ日本勤務でしたから、米国側の現地社員を一人ヘルプで付けて頂き、彼にLinkedInで候補者を探してもらっていました。そのころはLinkedInを良く知らなかったので、SNSで起業家候補を探すなんてと驚いていたのですが、彼はしっかり候補者を見つけてきました。また、現地の方々のコネでも何人か紹介して頂きました。

そうして選ばれた候補者に、上司と私で対面でインタビューをしました。そのころは英語がかなり未熟でしたので、英語のヘルプのために現地の管理職の方々にもインタビューに参加して頂きました。(なお、渡辺千賀さんによれば、通訳をつけるのがオススメとのこと。英語に自信が無いのなら、通訳をつけるべきだったかもしれません)

候補者の方々は有名なベンチャーの経営陣を渡り歩いてきた方々が多く、キャリアは非常に素晴らしいものだと感じました。また、人物としても非常に優れた方々だと思いました。

こういった経営陣クラスの素晴らしい人材をすぐに見つけてくることができるというのは、アメリカの素晴らしいところだと思います。

EIR (Entrepreneur In Residence) として雇用

その後、一人候補者を選んで、その方を雇用することにしたのですが、ここで少し工夫をしました。EIR (Entrepreneur In Residence) という仕組みを使ったのです。

EIRというのは、起業家候補をまず(期間限定の)コンサルタント待遇でチームに迎え入れ、研究開発部門事業部門と議論しながらビジネスプランを作ってもらうというやり方です。EIRとして雇われた起業家は、ビジネスプランが承認された際に、晴れて正式に新規事業部門のトップとして雇用されることになります。

事業会社の他には、ベンチャーキャピタルなどが、起業家をEIRとして雇い入れ、起業プランを検討させたりしているようです。

EIRのメリット

EIRにはいい点がいくつかあります。

1.正式雇用前に、起業家の力量をより正確に知ることができます。実際にビジネス計画を作ってもらうことで、ずっと深く、その人の能力と人脈について知ることができます。

2.正式雇用前に、起業家が文化的にどれだけフィットするか知ることができます。ビジネスプランを建てるためには、研究開発陣や経営陣とかなり深い議論を必要とします。そのような議論の過程で、その方がどのようにリーダシップをとっていくか、またどのようなアプローチを好むかがわかります。それにより、その人が会社の文化とどれぐらい適合するか、ある程度見当がつくと思います。

3.起業家のモチベーションがより高くなります。事業部門トップというポストがインセンティブとしてよく働くためです。



実際、私が体験したケースでも、このEIRという仕組みは非常に有効に機能したように思います。
起業家の能力や文化的適合性をインタビューだけで見極めるのは非常に難しいことが多いでしょうから、ご興味のある方は、ぜひ試して頂いてはいかがでしょうか。


EIRを雇い入れた後は、市場調査、およびビジネスプランの作成に取り掛かりました。その話はまた後日書いてみたいと思います。