小池良次氏のJTPAクラウドセミナーのレポート
JTPAのセミナー「小池良次氏とクラウド(騒動)について語る」--書籍「クラウド」にまつわる四方山話--に参加してきました。以下、レポートです。
- ジャーナリストという仕事
- 書籍「クラウド」出版裏話
- 一年半ぐらい前からクラウドが来ると言っていました。去年の7月に話が出ました。脱稿12月。3月に発売。
- 出版社は大体時代遅れの人が多くて、本の企画を理解してもらうのが大変。
- 最初はGoogleのXX戦略という名前の本(Googleという方が出版社のウケがよかったので)だったが、3章ぐらい書いたところでクラウドが弾けて本の題名が変わった。それで本の前半はGoogleの話になってます。
- 「クラウドはDCに超集中していながらミクロでみると超分散のアーキテクチャ。だから面白い(※うろ覚えです)」という書評を書いていただいた。この表現で出版社も腑に落ちたらしい。
- 本が白く、立てて並べると店が明るくなると言って本屋に人気だった。色は大事。
- 今まで一万部ぐらい売れた。普通は正月休みやGWが終わるとリセットタイムと言ってその休みの前に出た本は売れなくなるんだけど、それを超えても売れている。
- iPhoneの電子書籍でも売りたいと思っている。印税がほとんど入らないらしいけど、それでもいい。
- 本を執筆するのは息抜き。記事は好きなことが書けないのでたまに自由に書ける本を書きたくなる。
- 自己紹介
- 文系です。
- トレンド系記者といわれてます。技術やビジネスの動向を追う経営企画室とかがお客さん。
- 違うカテゴリとしてよくあるのはプロダクト記者。この人たちはプロダクトの情報を追う。(小池さんは全く追わない)
- クラウド動向
- 新しい分野なので、先端を追っている人とそうでない人で凄い差がついている。シリコンバレーの中でもかなり差がある。
- 展示会の講師を見ていると理解度の差が大きくて面白い。出席者から講師に突っ込みはいってこまる人もしばしば。
- クラウドの動向はとにかく変化が多くておっかけきれない。調べるたびに増えているし変化している。クラウドのアーキテクチャ図を作っているのだが、ころころ変わってます。
- 現在使っている図は、UCサンタバーバラ校の定義に通信網を加えたもの。通信網はクラウドで大事なところなんだけど、あんまり議論されていないし、そもそもクラウドのモデルに含まれていないケースが多い。
- DCのクラウドシステムでは通信がボトルネックだと思っている。例えば、かわりゆく負荷に対してIP/MACをコロコロ変えるのは大変。
- 日本にソフトウェア産業は存在しない
- 日本はどうしてもソフトがおまけという位置づけになる。ソフトの開発者もハード部門所属だし。
- モノで無いと製品だと思わない人が多い。特に経営者にそういう人が多い。
- 日本にはソフトウェア産業が存在しないという記事を書いたら出版社の反対にあい書きたいことが書けなかった。ただ日本にはソフトウェアが存在しないという一文だけは残した。その一文だけでも結構注目を浴びた。アンチ日本だと思われたケースも。
- 真実なんだからしょうがないと思うが、納得してくれない人が多い。特にソフトウェアをやっている人たちが納得してくれない。でも、ソフトウェアで儲けている企業なんて無い。
- 日本にはハード特化のやぱい企業がたっぷり。そもそもそういう人たちはiPhoneとクラウドが結びつくということがわからない。iPhoneの中にはソフトとコンテンツとエコシステムがあるのだが、それが見えてない。モノとしてしか見てない。
- 日本企業にはアーキテクトレベルのソフトウェア開発者がいない。みんな小粒。これでは戦えない。どうしたらよいのかと聞かれるけど、10年かけて育てるしかないのではと言っている。
- 日本企業はシステムレベルでは戦えないのではないか。部品レベルなら勝てる可能性はあるが。
- 霞ヶ関は流行語に弱い。四回ぐらい呼ばれた。いつのまにか霞ヶ関クラウドができている。ただ、本家USのGSAのクラウドモデルの方がずっと凄い。
- 日本のSIerはクラウドを非常に怖がっている
- クラウドのダークサイド
- クラウドがもたらす産業構造の変化
- インターネットとクラウドの違い