SSD/HDDのハイブリッドRAIDカード

AdaptecSSD/HDDをハイブリッドで使えるRAIDカードを発表しました。
SSDは透過的に組み込まれ、OSからハイブリッドストレージプールとして見えるところが面白いです。ユーザがSSDとHDDをどう使い分けるかを考える必要は無く、RAIDカードがSSDをキャッシュとして“よろしく”使ってくれるというわけです。

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Adaptec rolled out their MaxIQ solution, creating a hybrid mix of high-performance SSD drives and high-performance SATA hard disk drives. Using updated controller firmware and custom Intel drives, Adaptec now enables an I/O cache that is completely transparent to the applications and the operating systems that they run on.

書込み時はSSDにライトバックせず、HDDに書き込みます。つまり、リード速度改善を目的とした設計です。ウェブサーバなどのリードインテンシブなサーバに対して大きな効果があるだろうとのことです。

Adaptec uses its own algorithm built into the controller to monitor the blocks of data being accessed and copies it to the solid-state drive. Future reads of that block are then delivered from the high-speed cache. All write operations, however, go directly to the hard disk, and then the blocks in the cache are updated. This ensures data integrity and minimizes the need for battery or super-cap back up of volatile RAM caches.

SSD/HDDのハイブリッドストレージの先駆けとしてSUNのZFSがあります。
サーバ仮想化ならNASも一緒にリニューアル サンがオープンストレージ製品ラインナップを拡充 - OpenStorage(Sun Microsystems) - ZDNet Japan

Sun Storage 7000シリーズの上位モデルでは、サーバ上にあるDRAMをARC(Adaptive Replacement Cache; ZFSの1次キャッシュ)とし、ストレージプールを構成する複数のHDDとの間に、リード専用のL2ARC(ARCのRead用拡張2次キャッシュ)と、ライト専用のZIL(ZFS Intent Log ;ZFSのWriteログ領域)のキャッシュにそれぞれSSDを透過的に適用することで、頻繁にアクセスされるデータの読み出し・書き込み双方の速度を向上させ、ストレージI/Oのボトルネックを解消する。

このような先進機能がRAIDカードのようなコモディティ部品にこんなに早く搭載されるとは驚きです。ただ、ハイブリッドストレージと言ってもキャッシュアルゴリズムをどう組むかということはかなり奥深いことですので、性能に大きな違いが出る可能性はあります。近いうちに出てくるであろうベンチマーク結果を楽しみに待ちたいと思います。